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毒男と呼子とやまたのおろちのようです

 

('A`) < にっちもさっちもどうにもブルドッグ

 

毒男でやっしゃ。

まだ実家に居ます。そろそろトキオに戻らないとダメなんですが嫌で嫌で泣いています。

 

はい。鬼太郎ですが

ゲストは「やまたのおろち」でした。

とは言ってもかの有名な神話生物ではなく、そういう通名で知られる「願いを叶えてくれる存在」。早い話が都市伝説です。知名度の高さが故に変な伝わり方をした例かも知れません。現実世界でも両面宿儺(リョウメンスクナ)が「怖い話」として通ってたりしますよね。

 

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原作は「鬼太郎」シリーズではなく水木御大による短編。

オロチはダイヤ(解放石)の中の空間に住んでいて、ヤマタにかけて8つもの願いを叶えてくれる神龍ジーニーと合わせ鏡の悪魔と猿の手を混ぜたような太っ腹な方です。本物の八岐大蛇とまでは行かずとも相当強そう。

 

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そしてもう一体、キーとなる妖怪が呼子(よぶこ)。やまびこ、こだまとも呼ばれるアレです。山頂で「やっほー」つった時に声が返って来てるのはコイツの仕業なんだ、という。色んな現象を怪異として感得出来たからこそ産まれた存在と言えるでしょう。イラストはそっちのイメージ。

「鬼太郎」で呼子と言えば顎がアホみたいにデカい一本足の子供のビジュアルでお馴染み。今期だと妖怪大裁判で顔見せてましたが

 

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今回メインを張る呼子はまた別な個体という扱いでした。何回かアニメ化されてるエピソードなんですがシーズンに寄っては「偽呼子」とか言われてました。ダイヤinオロチの所有者です。

下半身が木の根になって地面と同化してて身動きが取れない状態で聞こえた声を只管反復し続ける実に妖怪らしい日々を過ごしています。しかしてその実態は…

 

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頭の形状は呼子そのものながら、パチモン臭が凄い。そしてアニメでよく見る呼子よりも本来の「やまびこ」に近い暮らしをしているからか、話しかけても基本こっちの台詞を鸚鵡返しにするだけでキャッチボールが成立しません。但し「やまたのおろち」という単語にだけはマトモな反応を示します。妖怪相手にこの表現はナンセンスでしょうが、謎解き系のホラゲのヒント役に使われてそうな絶妙に怖いギミック。この不気味な違和感が後半の盛り上がりで活きます。

オグロ山のシーンは、背景の色を赤とか紫とか単色で塗り潰す演出がディスコみたいでした。あと調子こいて昔話を蔑ろにする若人に「この山には入ってはならん」「言い伝えがあるんじゃ」と警告する迷信好き高齢者が今回も観測出来ましたね。

 

展開としては、この手のアイテムにありがちな流れ。好きな人にメタメタにフラれるわクズ親父にギャンブル費を無心されるわで兎に角冴えないサラリーマン・斉藤が(最近よく見るようになった出っ歯メガネ)くそったれな人生を好転させる為にオロチの力を借り幸せになろうとするも、願いを叶える度に周りの人間を不幸にしてしまうシステムに徐々に窮地へ追い込まれて行きます。

 

手始めに3億円を要求すれば父が急死し、保険金をゲット。クズ親父は息子に金せびりながら保険料払ってたんでしょうか。

続いて自分を袖にした同僚女性・山吹さやかと婚約するも露骨に財産目当てのゴミ女だった事が判明。一転別れたいと願った瞬間ゴミの居る部屋にピンポイントで飛行機が突っ込み物理的にお別れ。まぁこの偶然ちゅーか、運命の捻じ曲げ具合が恐怖を唆る訳なんですけど、にしても唐突で笑っちゃいましたよね

 

斎藤はビビってダイヤを質屋へ。然しオロチは願いを全て消費するまではとしつこく付いて回ります。質入れした物を盗んだ泥棒野郎に仕立てられ、どう見ても道極めし方々を引き連れた質屋さんに因縁吹っかけられ、虎の子の3億円を奪われ、無意味に腹パンを食らい、やっと回収して行かれたと思ったらまたオロチだけが戻って来る。

散々願いを言えと詰められてヤケクソ気味に「オロチ死ね」つったらダイヤが爆発、斎藤は大怪我を負ったのにオロチはケロッと「再生して」カムバック。これは酷い。露骨にアンフェアですね。流れ的にそうだろうなとは分かっててもブーイングせずにはいられません。

 

最早当たり前のように宙に浮かび、良い声で願い願いと連呼するイかれた宝石にせっつかれ、心身共に疲弊しきったタイミングで呼子が出現(実際は呼子の所まで誘導されたんでしょう)。助けを求めるも先述の調子ですから勿論会話にならず、願い事を強制するオロチの言葉を反復しだす始末。やがて「願いを捨てたい」と叫んでしまった斎藤の身体に変化が…

 

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なんと、呼子になってしまいます。

 

 

そう、オロチの力を使った者は最終的に呼子になってしまうんですね。始めに斎藤にダイヤを渡した呼子も昭和の時代に同じ末路を辿った男が成ったモノだったのです。こうして新たなる「オグロ山の呼子」を襲名してしまった斎藤は皮肉にも、己と同じく「やまたのおろち」に縋ろうとする誰かにダイヤを渡す日を救いとしながら独り虚しく、山中で声を返し続けるのであった。ちゃんちゃん。

 

 

 

 

 

?????

 

 

 

 

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昭和男、元から呼子顔なのがウケました。呼子だからその顔面なんじゃねぇのかよ。

若しくは長年の呼子暮らしが祟って骨格が変化したのでしょうか。そう考えるとゾッとするな…

 

只でさえ令和へタイムスリップさせられた上にやまびこ稼業で完全に頭がおかしくなってそうな昭和君がどう生き延びるのかは傍にやるとして、色々腑に落ちないような、そうでもないような、端的に言えば気に食わない話でした。理不尽つったらそもそも原作が結構理不尽の暴力なんで何とも言えませんが

 

 

そうそう、主人公の事を忘れていましたね。

今週は中盤、斎藤さんの前に脈絡無く現れて「ダイヤをよこせ」と迫ります。交渉のつもりか知りませんが、ちょっとコミュニケーション能力がマイナスに振り切っちゃってますね。幾ら声が沢城みゆきだからって流石に態度が宜しくない。

んで後になって「オロチを殺せる奴を連れて来てくれ」という願いを(オロチが)叶えた結果修羅場に召喚されるという雑な扱い。人間の身勝手で七面倒なシチュエーションに巻き込まれた事に苛立ちつつも何だかんだダイヤの始末にかかります。

此処で驚くべき事に複数発の指鉄砲に耐え6期屈指の守備力を見せつけるオロチ先輩。戦略も一枚上手で、質屋の取り巻きヤクザが斎藤さんだぞを追って来たタイミングで「お前を助けられるのは俺だけだ」と舌先三寸、錯乱した斎藤さんだぞペッペッペーは事もあろうに「鬼太郎を殺してくれ」と願ってしまい、鬼太郎爆発。死ぬ=爆発なのかな

今回、もとい今回も、モブ含め色んな意味で酷い奴らしか出て来ませんが、斎藤のテンパった末の謎行動は特に見てられませんでしたね。願い事の使い方があまりにもお粗末。せめて先ずヤクザを標的にしとけよ。金にしても女にしてももっと経路をちゃんと限定してから願えよ。

とは言いつついざ己にオロチ並のリスキーな力が転がり込んだらと想像すると、案外正常なリアクションなのかも知れません。

 

呼子に成り果てた哀れな男のやまびこを流し聞き「哀れな奴だ」つってしたり顔の。何で無事なの?オロチの攻撃は?ねぇ。そしてオチは昭和君。やっぱお前怖いな

 

 

世にも奇妙な物語テイストと言うか、痒い所に手が届かない感が何ともアレでした。途中とラストで「人間の欲は底無し」だの「禍福は糾える縄の如しだから幸せばかりに溺れると良くない」だの有り難い教訓的なのをフワッと足して終わりましたけど、結局オロチって何だったのかとか、ストーリー自体に対する説明が下手なB級ホラーより足りてねぇなって。

 

足跡の怪パターンですよね。足跡の怪バッドエンド(足跡の怪がバッドエンドじゃなかったとは言っていない)。

一部始終見てて感情を投影しまくってる俺からすると、カツカツの惨めな生活に喘いで外法に手を出してしまった斎藤さんも鬼太郎様の同情を買う余地は十分有ったように思うんですが、今期の彼に其処まで細かく背景を把握して判断する能力は……いやまぁやっぱ目が眩んじゃった人間が悪いんですよね。その一点さえ見せられれば他の要素は多少ガバっても問題無いですよね。うん。はいはい。

 

来週は遂に最後の四将、玉藻前が降臨です。今までの傾向を鑑みるに来週でシーズン(引いては6期)あっさり終わっちまうんじゃないかという不安?期待?で胸がいっぱいです。

あと鬼太郎関連じゃないスライム玩具のコマーシャルが流れててスライム流行ってんだな〜ってなりました。

 

 

では

 

 

('A`) < ウ゛ワー!