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毒男と易者のようです

 

('A`) < どすけべどぅ

 

毒男です。

鬼太郎ぶら下がり企画も終わって、なんか妖怪でも描いてブログに載せようかなと思ってたんですが、さるタイトルの人気投票で推しの順位が余りにも低かったので悲しみを込め、そのキャラについて綴る事にしました。

 

 

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易者ァ……

 

 

易者、凹むなよ……俺のNo. 1はお前だぞ……

易者……担がれなくなったってお前の魅力はさ……伝わる奴には伝わってるんだ……なぁ、易者……

 

(イラストは東方CBのイラコンで応募して派手に滑ったやつ)

 

 

よくわかんねーって方に説明しますと、ZUNさんっていう当代きってのスーパークリエイターが主催するサークル『上海アリス幻樂団』手掛ける同人シューティングゲーム他諸々の作品群『東方project』ってのが御座いまして、更にそれを原作として、様々なメディアに於ける公式、二次まで含めた創作全体も、ザックリ「東方」と呼ばれています。「幻想郷」という隠れ里を舞台に特殊な力を持った人間や妖怪、魔法使い、妖精に神様まで入り乱れて弾幕シューティングバトルに興じるいかれたファンタジーです。

抜群の人気を誇る一大ジャンルで、ネットでオタクの文化に片足突っこんでれば先ず確実に何処かで触れているであろうという知名度。「ボカロ」「アイマス 」と並んでニコニコ動画がアホみたいに盛り上がってた頃には「御三家」と称され、現在に至るまで数多の人々の手によって凡ゆる創作が試みられています。

 

さて、易者はそんな東方projectの公式漫画『東方鈴奈庵』に登場した、読んでの通り占い師、兼敵?キャラクターです。個人名は与えられていません。所謂「モブ」ですね。然も主にゲームとしての展開がメインとなる東方原作にあって、書籍はいわば派生作品。加えてガッツリ顔を見せたのは25話(単行本4巻)のみです。25話で姿を現し、25話で退場させられました。なので読んでない人は単行本4巻買いましょう。

 

いやモブ中のモブじゃねぇか

投票されてるだけでも有難いだろ

順位低くて当たり前だろ

 

って、思うでしょう?

でも易者はね、モブなりになかなか渋い活躍を魅せて一時期結構な話題になったんですよ。

 

何よりヒーローなんです。俺にとっては。

 

なので易者が全キャラ人気投票で前回73位→今回92位と、凄まじくランクを下げたのは少なからずマイナスな驚きでした。分かってたけどやっぱり忘れられてるよなぁ…ってのと、にしてもなぁ…ってのと。反応してる人達も「易者まだ100位以内キープしててウケる」みたいな、まぁ落ちるっしょみたいな、まだ易者に入れてるの?みたいなノリ。

 

無性に悲しくなったんで、今日は易者が如何に俺のヒーローかってのを、ぽつぽつと、書きます。飽くまでぽつぽつなんで、詳しくは単行本4巻を買いましょう。

 

 

易者はね、或る日、占術で「幻想郷の外の世界」を覗いてしまうんです。占術ってすげぇ。

幻想郷は現代日本の何処ぞの山奥で結界に守られる形で存在しており、外の世界で「忘れられた」もの、古の妖怪や神様が流れ着き「幻想入り」してキャラが増えてくんですね。片や幻想郷に予め組み込まれている街や村で生まれ育ち、死んでゆく幻想郷住みの人間が一定数いて、易者はその社会の構成員と。

いざ折衝となれば腕っ節がものを言い、圧倒的に“強い”人外や異能者が否応無く、当然の理としてカースト上層に君臨する幻想郷と違い、外の世界はヒトの天下。易者は里を我が物顔で跋扈し、空中で特殊な弾をぶっ放して問題の解決やコミュニケーションを計る異常な連中に怯えて暮らすのがしんどくなるんですね。

彼は一計を案じ、己が使える呪法を駆使しまして、なんと自ら妖怪に成ります。占術ってすげぇ。妖怪のカテゴリにさえ加わってしまえば支配から解放され、自由になれると考えたのです。

 

ところがギッチョン、不運にも東方シリーズの大看板、押しも押されもせぬ主人公であり、幻想郷での様々なトラブルや異変を視界に入った者を手当たり次第ボコす荒業で解決してきた博麗の巫女、博麗霊夢に見咎められてしまいます。

幻想郷は「人間の畏れを糧とする妖怪」と「妖怪を畏怖する人間」によって成り立っており、そのシステムに抗いともすれば根本から崩してしまいかねない易者の人間から妖怪へという越境行為は実は超重過失罪であり、説得虚しく血も涙もない巫女は彼を拘束の上、脳天からお祓い棒で叩き割ってヌッ殺します。

先述の弾幕バトルは命の遣り取り、タマの獲り合いを避けてシロクロつける為に設けられたルールだったりするんで、端っから処刑を目的としてる今回は問答無用。殺伐とほのぼの、物騒と軽妙が同居する空気が常とはいえ東方で公式のガチ殺害描写が入るのは珍しいです。彼女が鬼巫女と揶揄される所以ですね。特に鈴奈庵の霊夢は躊躇ゼロで妖怪(特に人間由来の妖怪)の命を奪います。話が通じません。

 

こうして易者の夢は潰えたんですが、衝撃の25話が発表されると界隈は騒然。「やっぱ幻想郷ギスギスしてるじゃないか」「霊夢カッケェけど怖え」「魔理沙(霊夢の相棒ポジションを務めるもう一人の主人公格。易者と同じく人間にも関わらず努力とアイテムで魔法を使い熟す)が人間辞めても割るのか」「易者が美少女じゃないから割られたんだ」等波紋を呼び、人妖の微妙な関係、幻想郷の構造、東方全体の世界観に影響を及ぼす問題ではと騒がれました。詳しくは混乱した東方厨が当時残したブログやら呟きやらを掘ってみてください。先ず単行本4巻を買ってください。

 

兎に角易者は初出時のインパクトが凄すぎて、というか当該エピソード限りのモブなんで彼の武器は初出時のインパクトのみなんですが尖ったスペックの物珍しさや上記の考察要素が絡んだのも手伝って“ネタキャラ”として脚光を浴び、人気投票では最高60位(第13回)に食い込む快挙を成し遂げます。美少女美魔女美幼女が3桁人数ずらりと揃った東方で露出の少ない男性のモブキャラが60位ってのは異常です。事件。

コイルや五条ニキにも似た(わかんない人は「コイルショック」でググってみてね)系譜を辿って票を集めた感は否めませんが、易者フィーバーが到来したんですね。栄華を見て来たからこその今回92位かぁ…な訳です。

まー分かりますよ。飽きたんですよね。皆さん。易者に。なんか易者ってキャラ流行ってるな〜おもろいな〜入れとくか〜でフワッと浮上した泡沫の60位だったんです。

 

 

じゃあ逆に。

ブームが去った今、一発屋の彼が92位に留まれた理由、というか俺が未だに票を入れてる理由はなんなんだって事ですよね。今回、投票の折にちょっと思う所有って初めてちゃんと記名の上でコメント添えて送ったんでブログでも語ってみます。

 

取り敢えず、キャラが凄くイイんですよ。顔も良けりゃ設定も良い。如何にも端役妖怪っぽい顔立ちに個性満点の易者属性を乗っけるデザイン、良い。巫女にも綽々と応対しコイツやりおると期待させておきながらの肝心なとこで小物が露わになっちゃう振る舞い、良い。世界そのものを多角的に捉える賢さ、良い。儀式が回りくどくて厨二なとこも良い。東方っぽいです。ガワから入るのは、推しあるあるですよね。

易者に纏わる二次創作も好きなものが多いです。これもキャラ好感度で有りがちな傾向ですよね。今回盤石の絶対王者である霊夢の牙城を崩し1位をブチ抜いた魂魄妖夢も、二次創作ソシャゲの『東方ロストワード』でピックアップされて性能が良かったからではとまことしやかに噂されております。『東方project』では活発な二次創作が認められてまして、誰かがふと落とした漫画がバズるとか、原作内での発言が謎にウケてミームとして定着するとか、ちょっとした切っ掛けや時勢が噛み合えば今回のようにあっさり勢力図が一変するパターンもなくはない、と改めて証明された格好です。まぁ人気投票自体非公式ですしね。流石にトップ入れ替わりは予想してませんでしたけど

 

あと、強キャラアンチなんですよ、僕。

逆張り方面への拗らせ方としては陳腐過ぎてもう王道じゃねってなもんなんですが、所謂強キャラが雑魚を蹴散らしたり敵を捻じ伏せて強さをひけらかすシーン、うわ…てなるんですよね。強いだけでちょい苦手。ジャンプ組とかね。悟空、ルフィ、苦手です。めだかも苦手。元々キャラの不遇、特に雑な死がどうしても喉に引っかかる性質でして、例えそれがモブに対しての暴力でも、寧ろ対モブへの強権発動にこそヘイトが溜まる。

弱者を歯牙にも掛けない手合いや感情を欠いた殺戮マシーンや倫理がいかれてるサイコパスや暗殺者として育てられた餓鬼や散々周りに迷惑かけたトラブルメイカーや孤高の不良や相手の純真を弄ぶスれた自称恋愛上級者が色んな交流を経て心を得て丸くなるみたいなの、いやでも今までの被害者は??ってなりません? どんだけの未来を踏みにじっておいての笑顔なの???っていう。其処に触れられないまま許された雰囲気醸されるともう、激萎え。熱が失せる。一応それとは別にマゾなんでやられ役に自分を投影してドキドキするとかも出来るんですけど何れにせよマトモに楽しめねぇのか

 

ポケモンなんかも割とすぐ他のポケモンや人殺しちゃうじゃないですか。やっぱ引いちゃうんですよね。東方ともなるとジャイアンから良心抜いて打算と嫌味なユーモアと老獪さと腹立つくらい達観した視座と遊び感覚で他を傷つける残酷さを足してオタク的記号を詰めれるだけ詰めて少女化したみたいなキャラとそいつらに理不尽にいたぶられる被害者がモリモリなので、まぁそのギャップというかシュールさも支持されてるんでしょうけど、同時に俺はドン引いてます。皆人食うとか書いてあるんだもん。

 

ただ「東方」は「そういうもん」なんで。「そういうもん」な上で素晴らしい。こっちがウダウダほざこうがもうそれで成立しちゃってるんで。作品としても、作品内の世界としても。イチャモン付けてもなぁってモニョりつつ消費してた俺にとって「まぁそういう世界なんだから仕方ないね、大人しくしてよう」「誰かに庇護を求めよう」じゃなくて「惨めな現状から何とかして脱しよう」に考えを持ってける、しかも実行出来ちゃう易者さんはやっぱダンチでかっけぇんですよ。んで主人公直々に危険分子と見なされて消されちゃったんですから。頑張ってるでしょ。易者。

人間臭く、妖怪らしい生き様は並居る強キャラにも引けを取らない素晴らしい魅力です。そらモブですよ。キャラランクで言や底ですよ。弱いですよ。それでも自分の求めるもんに精一杯腕伸ばして、余裕ぶって、カチ破られていった彼に、俺は拍手と声援を送りたい。俺だって妖怪になりてえよ。

 

っていう、可能性をね。

原作じゃノーマルのクリアも覚束ない浅いプレイヤーで、齧った程度の知識で二次創作しちゃう俺の「東方」というフィールドに可能性を灯してくれた易者へのリスペクトを込めてね。東方、揺るがせるぞ。ひっくり返せるぞっていう。希望です。これからも私の幻想郷を構成する核として、易者を推し続けていきたいですね。

 

 

てな具合で。

 

 

('A`) < 正にIPPON釣り───